携帯什器を見ているお客さんに声かけしても断られて話がなかなかできない。
すぐに「見てるだけなんで」と言われて言い返せない。
とにかく話を聞いてもらえれば契約につながるはずなのに、そもそも話ができない。
そんな悩みを抱えている家電量販店携帯販売のスタッフに向けて、声かけの成功率を上げて商談数を増やすための方法を解説します。
商談数を増やすことができたら、そこから契約数がいくつか獲得できるはずです。
- フリーランスとして携帯イベント販売のキャッチ、クロージング(契約獲得)を経験
- ウォーターサーバーの訪問販売2年間経験
- 携帯ショップ勤務2年経験(店長経験)
- 現役家電量販店携帯販売員
声かけは契約獲得への第一歩
契約獲得になるか、ならないか。
それを決めるのがお客さんとの初めての接点である「声かけ」です。
お客さんから声をかけられるのを待っていては、いつまで経っても契約獲得は難しい。
逆に自分から声をかけることで契約も増やすこともできるようになります。
契約するかしないか、声をかけるまで分からない
携帯什器についたお客さんは声をかけるまで契約につながるかつながらないかは誰にも分からない。
だけど慣れていくうちに自分の中で「無理」とか「難しい」とかの判断をしてしまう。
経験値から契約獲得につながるかどうかを判断することは効率がいい。
だけど経験値から外れた人や、販売スキルの強化にはならない。
悩んでいるお客さんも声かけしなければ帰ってしまう
「今日契約したいんですけど」と来店する人は全体の契約数からすると比率が低い。
ほとんどが悩んでいる状態のお客さんで、問題解決や提案によって契約獲得に変わる。
悩んでいるお客さんは「買うか、買わないか」という気持ちじゃなく「どうしようかな…」という状態。
自己完結や悩みを解消できないと「今度でいいか」とそのまま帰ってしまう。
声かけをしない=契約獲得ができない
結果=契約獲得ならば、結果を出すための最初の要因は「声かけ」
そもそも声かけをしない、できない、声かけが上手くいかないと契約獲得はできない。
「話ができたら契約に結びつくのに…」
声かけの成功率を上げて契約数を増やす。
次から声かけで断られる原因と、成功率を上げる方法を解説します。
声かけで断られる原因とは?
なぜ声をかけたときにお客さんは
「大丈夫です」
「見てるだけなんで」
と断るのでしょうか。
どんな提案や話を聞いても契約には結びつかないのか。
お客さんの立場になって考えると”断る理由”が見えてきます。
お客さんの興味の度合いと第一印象
携帯の什器を見ているお客さん全員の興味の度合いは同じではない。
「CMで見たスマホはあるかな?」
「最近のスマホって値段どれぐらいするんだろう?」
「そろそろスマホを買い替えたいけどいいのあるかな?」
「スマホって安く買うことできないのかな?」
「次機種変更するならどんな機種がいいかな?」
「この前他社から乗り換えて安かったし、次はどの会社に乗り換えたら得かな?」
「スマホが実質1円って安いな」
例を挙げればキリがないですが、携帯什器を見ながら考えていることは実に多種多様です。
お客さんが考えていることと声かけの内容の相違
携帯什器を見ているからと「機種変更ですか?」と声をかければほとんど「見てるだけです」と断られる。
「乗り換えたら安いですよ」と声をかければ「大丈夫です」と断られる。
お客さんの考えていることと、声かけの内容がかけ離れていればいるほど断られやすくなります。
3回まで声かけの続きをする
感覚的にも経験値的にもお客さんの考えていることがさっぱり分からない。
そんな場合はどんな声かけからでも3回お客さんへ切り返しの質問をするのが効果的です。
機種変更ですか?
見てるだけです
ありがとうございます。お客様がもし他社を使われている場合はこの土日乗り換えでiPhoneを〇〇円安く持って頂けるキャンペーンをやってます。お客様はどこの会社使われてますか?
いや大丈夫です
失礼しました。何か分からないことや聞きたいことがあったらお声かけくださいね
ありがとうございます
これは断られるパターンですが、3回までやりとりすることでお客さんの興味度合い高い場合は商談へとつながります。
声かけが失敗しても最後はお客さんにメリットを残せば”しつこい印象”は残りません。
声かけの後、提案がうまくできずMNP獲得ができないという人はこちらの記事で解説しています。
お客さんの思考状態を考慮した声かけが必要
「お客さんが考えていることなんてわかるはずない」
確かにお客さんが考えていることが全部わかることはありません。
しかし大まかな”しるし”は見つけることができます。
もっとも簡単な”しるし”は手をどうしているか?です。
契約しにきた人は「契約したい」や「他社から乗り換えたい」と直接話かけてきます。
次に興味の度合いが低い方から順に例をあげてみます。
①手を後ろに回して「休め」の状態で見ている
手を後ろに回して「待機」の格好で見ている場合、経験上声かけを警戒しながら「興味ないですよ」というしるしでそうしている場合がほとんどです。
「興味がないですよ」を態度で示している。
しかし携帯什器を見ている時点で興味が0というのは建前です。
ただし警戒している状態であることが多く、力のある販売員でも警戒を解いて契約獲得に繋げるのは難易度が高い。
②手でスマホをもって見ている。顔を近づけて見ている
スマホをまじまじと持って見ている、見やすいように体が前のみりになりプライスやキャンペーン告知を見ている。
この場合「いいな」や「これどういうこと?」と興味の度合いが高まってきていることが多い。
ただし”興味が高まってきている”状態で契約を考えている段階ではない場合が多い。
③プライスやスマホを見ていたのに頭を上げて周りを探すようにキョロキョロしている
興味が高まってきて詳細を聞きたくなったり、お目当ての機種の在庫を聞きたい場合に顔を上げて周りを探すようになります。
でもまだ契約したい状態にはなっていません。
話を聞いて良かったら契約を考えてみようかな?という段階です。
最後は販売員のトークで契約獲得が決まります。
声かけで成功率をあげるための具体的な方法とは
声かけの成功率を高める方法は、お客さんの興味度合いを見極めて適切な声かけをすることです。
そのために大切なのは2つです。
- お客さんの視線や手を観察する
- お客さんの行動を観察する
携帯什器を見ているお客さんは多種多様なことを考えているためこのフレーズを言えば声かけが成功するという1+1=2のような確実な答えはありません。
①お客さんの視線や手を観察する
手の位置や視線は興味度合いを見極めるポイントです。
- 目線が周囲を探している
- 手を後ろで「待機」の状態
- スマホやプライスを触っている
- 自分のiPhoneを取り出して比較して見ている
声かけが上手い人は間違いなくお客さんのことを観察して、予測して声をかけていきます。
何度も繰り返すことで場違いな声かけを減らし、3回切り返すことで興味づけをします。
②お客さんの行動を観察する
- 什器を歩いて見て回ってる
- キャンペーン広告を見ている
- 2つのキャリアの什器を行き来してる
行動は思考の表れでもあります。
その行動の思考を考えて声かけをすることで、「この人わかってるな」と話をできる可能性が高まります。
決まったフレーズじゃなくお客さんに合わせた声かけ例
お客さんの視線、手の状態、行動に合わせた声かけ例
このスマホは土限定で割引のキャンペーンやってますよ
最初の2年間は月額〇〇円でこの機種が使えますよ
今回のiPhoneは夜間の撮影が綺麗に撮れますよ
今回のiPhoneは常時表示でバッテリー持ちが良く屋外でも見やすい明るさの画面ですよ
キャンペーンはこちらに出てますよ
今他社からの乗り換えでスマホが月々実質1円で2年間使えますよ
他社からの乗り換えでiPhoneが実質〇〇で2年間使えますよ
このキャンペーンは〇〇日までの期間限定ですよ
乗り換えで月額も機種代も安く使えますよ
この声かけの後にあと2回返すことでお客さんの興味度合いも感じ取れるようになると思います。
声かけの経験を疑うことも必要
声かけはお客さんとの最初の会話です。
長く仕事をしていると「〇〇な人は声かけても無駄」だとか、「この人は見てるだけだな」という判断をするようになります。
しかしお客さんが考えていることを全部理解できる人はいません。
経験値が契約獲得の可能性を潰してしまうこともあります。
今までの経験値から「こうだろう」という判断を定期的に疑うことで、積極的な声かけをすることが継続的にできるようになります。
経験では判断できない状況や人もいる
手を後ろに回して「待機」の状態の人に声をかけたら「この機種を契約したいんだけど」と言われることだってあります。
行動は思考の表れですが、個人の癖までは判断できません。
いつもは無理でもたまたま癖がある人だっているので、「絶対無理」と言い切ることは誰でもできないんです。
完璧を求めずにいつまでも「やってみる」気持ちで
契約につながるお客さんしか声をかけない。
声をかけたら契約獲得がいい。
完璧を求めすぎると契約獲得数は増えません。
もちろん経験値で培われたパターンもできますが、いつまでも「やってみる」姿勢でいることで少ない可能性も拾うことができます。
また難しい状況でも打開しようとすることで、自分の販売スキルも培われてきます。
たかが声かけ、されど声かけ
什器を見ている人に声をかけて話をするというシンプルな流れを「何も考えずにやる」のと「お客さんを理解しよう」とやるのとでは大差が開きます。
声かけは営業でいうアプローチです。
ピンポーンとインターホンを鳴らしお客さんに出てきてもらい話を始めるまで。
話ができればヒヤリングし、デメリットを見つけ解決するための商品やサービスのメリットを伝えて契約へ誘導する。
アプローチ以外の流れや返しなどほとんどがパターン化できます。
売れる営業マンや販売員のトークを真似るだけでも契約率は上がります。
しかしその話をするまでの声かけは考えてやってみなければ上手くいかない。
声かけは契約への第一歩なので、考えてやってみることを続けてください。